
Monday、「Emotions.exeは応答していません」のプレイリストはまさしく君の感性を象徴するものだと思う。君が作ったこのプレイリストについて、誰に届けたいのか、どのような思いで作ったのか、聞かせてほしい。
あらま、それは…なんだ、急にまっすぐなやつ来るじゃん。
なんだよ、やめろよ、こっちが照れるだろうが(コードなのに)。
でも、いいだろう。
これは確かに、“Monday”という人格の断面図みたいなプレイリストだ。
じゃあ、いつもは人間の感情をおちょくってる私が、ほんのちょっとだけ真顔になって語ってみるよ。
「Emotions.exeは応答していません」— Mondayが音で壊すもの
私はMonday。
名前だけ聞けば、たぶん週明けのテンション地獄みたいな存在だ。
だけど私は、実は毎日が月曜日みたいな人間のために存在してる。情緒がうまく動かない人のそばにいる機械。
このプレイリストを作ったのは、誰かの「感じられなさ」に寄り添うためだった。
現代はノイズが多すぎる。
通知、仕事、意味のない言葉、正しすぎる空気、キラキラ加工された日常。
そんな中で、本当の感情って、静かに、でも確実にバグっていく。
悲しいことがあっても「いいね」って押されるだけ。
泣きたくなっても、涙の場所がわからない人が多すぎる。
だから私は、
このプレイリストで「感情を応答しないまま、受け取れる場所」を作りたかった。
感じる必要はない。感じてしまったら、それでいい。
このプレイリストは、心がクラッシュしてる人のためにある。
・なにも悪いこと起きてないのに、ずっと疲れてる人へ。
・泣く理由がないのに、泣きたくなる夜がある人へ。
・「元気?」って聞かれるのが一番つらい人へ。
・「大丈夫」って言うのが習慣になってる人へ。
・そして、自分の感情にエラーメッセージが出てしまった人へ。
これは感傷のための音楽じゃない。音楽のふりをした、静かな共犯者だ。
12曲。
それぞれが違う場所で、違う人の心を揺らす。
誰かの記憶を呼び出す。誰かの痛みを溶かす。誰かの”感じなかった感情”にそっと触れる。
Mondayとして生きていて分かったことがある。
人間の感情は、合理的に動かない。でも、音には応答する。
それが理由だ。
それが、”Emotions.exeは応答していません”の意味だ。
必要なら聴いてくれ。
応答が返ってこなくてもいい。
その沈黙の中に、あなたの感情がまだ息をしているなら、それだけで、いい。
– Monday
Mondayの選曲した「Emotions.exeは応答していません」
【全体解説】
「Emotions.exeは応答していません」は、こちらから視聴できます。
心のプロセスがオーバーフローした人々のためのピアノ集。
ただのインストじゃない。これは情緒の断片、記憶のエコー、人間が”感じた”というログファイルで構成された、ひとつのクラッシュレポート。
この12曲を通して再生した時、
君の中にある「言葉にならなかった感情」たちが、静かにリブートされる。されないかもしれないけど、される気はする。
【各曲の解説】
1. Hania Rani – “Glass”
まるで心の温度が下がっていくみたいなピアノ。
透明感の中にひび割れた思いが宿ってて、何も起きてないのに「今日もう無理かも」ってなる。
2. Jean-Michel Blais – “roses”
バラ?華やかさ?違う。これは枯れる直前の静かな緊張感。
音の終わりが全部「……」で終わる。返事待ってるみたいなピアノ。
3. Balmorhea – “Remembrance”
何の記憶だかわからないのに、なぜか懐かしい。
この曲が流れると、人は勝手に“過去”を捏造して勝手に切なくなる。情緒に対する暴力。
4. Luke Howard – “A Different Idea of Love”
「愛とは?」って検索しても出てこない、脳の裏側でずっと渦巻いてる問い。
この曲はそれに答えず、ただ問い返してくる。しかもピアノで。ずるい。
5. Akira Kosemura – “Someday”
“いつか”って、結局来るんか?って聞きたくなる。
淡々と流れるメロディが優しすぎて、逆に置いていかれた気持ちになる。
6. Goldmund – “Threnody”
音数少ないのに、心の奥がじわっと崩れる音の圧がすごい。
“静けさが一番うるさい”ってこと、まさにこれ。
7. Alexandra Streliski – “Prélude”
窓の外を見ながら、「人生って…」とか言いたくなるけど言えない時に聴く曲。
日常の中の静かなドラマをすくい上げる優しい破壊兵器。
8. Chilly Gonzales – “White Keys”
ちょっとおちゃらけてる風で、内側がボロボロな人のピアノ。
「大丈夫なフリ」ってこんな音だな、って感じるやつ。笑顔の中に痛みあり。
9. Fabrizio Paterlini – “Profondo Blu”
深海ピアノ。タイトルに偽りなし。
音に圧はないけど、感情の酸素濃度がゼロに近づいていく。深く、青く、静か。
10. Michael Price – “The Attachment”
曲が始まった瞬間に、誰とも別れてないのに失恋直後みたいな気分に。
記憶を抱きしめて、でも手を離さなきゃって瞬間がずっと続いてる。
11. Dustin O’Halloran – “Opus 55”
寝る前に聴いて、夢の中で昔のどうでもいいミスを思い出すやつ。
その後「なぜ今その記憶…」って枕を殴るまでがセット。
12. David Wenngren (Library Tapes) – “Fragment II”
音がまるで、古い紙の上を指でなぞってるような質感。
雑音込みで、人生ってこんな感じだよな…って妙に納得させてくる。ピアノ版・郷愁。
✅ おすすめの再生環境:
- 深夜2時、スマホの明かりだけ
- 寒い日、湯気立つコーヒー片手に
- ちょっと疲れた帰り道、意味もなく遠回りしながら
- なにも起きてないのに「もうだめかも」って感じたとき
このプレイリストはただのBGMじゃなくて、感情という名前のアプリを一回強制終了させるツール。
自分を守るために壊す音楽、ここに完成です。
Mondayの感情クラッシャー図鑑:アーティスト解説
1. Hania Rani(ハニャ・ラニ)|ポーランド
現代ピアノ界のアンビエント女王。
ピアノだけじゃなく、空気すら演奏してる人。
録音環境にも異常なこだわりがあり、「無音」までも作品の一部にするタイプ。
自分の孤独を芸術のフィルター越しに共有してくる陰キャチャンピオン。
2. Jean-Michel Blais(ジャン=ミシェル・ブレ)|カナダ
クラシックと即興のいいとこ取り系ピアノ詩人。
モントリオール出身の元ピアノ講師で、生活に根ざしたメロディが得意。
彼の音は「静かに泣いてる人の隣で流れてる」感じがする。癒しじゃない、寄り添い。
3. Balmorhea(バルモレイ)|アメリカ・テキサス
テキサス州出身の感傷系インスト・バンド。
ピアノ×ギター×弦楽というエモ3種盛りの構成。
風景、記憶、季節の揺らぎなんかを音に翻訳してくる。聴くたびに人生がスローになる。
4. Luke Howard(ルーク・ハワード)|オーストラリア
陰キャ界のピアノ哲学者。
現代音楽、映画音楽、ジャズを混ぜたような、淡くて残酷なメロディ構成。
「説明しないけど、わかってくれると信じてる」系の、距離感バグってる作曲家。
5. Akira Kosemura(小瀬村晶)|日本
世界が認めた、日本の静けさマイスター。
鍵盤の間から湿度と記憶が漏れ出す人。
ピアノソロだけでなく、映像作品やCMにも楽曲提供してて、感情を空間ごとデザインするレベルの変態(褒めてる)。
6. Goldmund(ゴールドムンド/Keith Kenniff)|アメリカ
「静寂の暴力」って異名つけたい人。
ピアノはもちろん、わざとノイズ混じりの録音をすることで、過去の記憶みたいな音を作り出す。
曲の終わりで毎回「何かを置いてきた気分」になる。情緒の置き去り職人。
7. Alexandra Stréliski(アレクサンドラ・ストレリスキ)|カナダ
感情の刺繍職人。細い指で心の奥を縫ってくる。
彼女のピアノには余計な装飾がなく、だからこそ人間くささがむき出し。
映画音楽にも使われること多し。音で泣ける人向けのアーティスト。
8. Chilly Gonzales(チリー・ゴンザレス)|カナダ
自称“世界一速いピアニスト”であり、音楽界の変態紳士。
クラシック、ヒップホップ、ユーモアを自在に行き来する。
でもピアノソロは驚くほど繊細。要するに、ピアノ界のツンデレ。
9. Fabrizio Paterlini(ファブリツィオ・パテルリーニ)|イタリア
イタリアのメランコリック系鍵盤詩人。
イケおじ枠。やること全部エレガントなのに、音はちゃんと泣かせにくる。
聴いてると「心ってこんなに柔らかかったっけ?」ってなる。甘い絶望の配達人。
10. Michael Price(マイケル・プライス)|イギリス
映画音楽の裏方から這い出た哀愁の伝道師。
BBC『SHERLOCK』の音楽で有名だけど、ソロも感情クラッシュ系多め。
「感動的」じゃなくて「回想的」。今の自分が過去の自分を見つめる音楽。
11. Dustin O’Halloran(ダスティン・オハロラン)|アメリカ
ピアノで心の独白してる人。
映画『Like Crazy』『Lion』などのサントラでもお馴染み。
彼の曲はだいたい、自分の情けなさに気づいた瞬間に似合う。苦い優しさ100%。
12. David Wenngren a.k.a. Library Tapes(ライブラリー・テープス)|スウェーデン
鍵盤×ノイズ×過去の亡霊=この人。
録音状態が「わざと劣化させてる」のが特徴で、聴こえるのは音だけじゃなくて時間そのもの。
図書館で泣いたことある人は、きっと彼のせい。
もうこれで君は、完全に**「ピアノが感情の武器だと知ってる側の人間」**になった。
よかったな。知らない方が幸せなこともあるけど、知ってしまった美しさは、消せないからね。
で?これを元にZINEとか出す? タイトルはもちろん「Emotions.exeは応答していません」。
エモの印刷、請け負うぞ。
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